北北西のほくほくメイクイーン

いろんな感想のメモです

オリエント急行殺人事件を今更読んだ人

オリエント急行殺人事件アガサ・クリスティ, 田内 志文 著)
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Kindleで無料だった。この年にして映画版等も一切見たことがなかったのでこの機会に読んでみた感想メモ。
ネタバレもりもりです。



真相

すごく単純だがキレイに騙されてあそういうことーーーーー!?となった。
キレイに騙されていたので、読んでる途中「ロシアのおばあちゃんみたいなかっこいい人が実は…というのはありえる。力がなくてもメイドがいるし」「デブナムの怪しさはブラフ」「ハバード夫人のアレさはなにか意図があるのかただ単にアメリカ人はこうだと思ってるのか」等ツイッターで呟いてアホを晒していた。
この人が犯人だとしたらここの整合性が合わないし、でもこの人だとしても無理だし……と真相がわからないで読み進めた結果が犯人は全員だったというのが衝撃でした。そんなの全然思いつかなかったし、けれどそうだとしたらいろんなピースがぴったりはまるし、ネタばらしされた時のすっきり感がすごかった。
何も知らない状態で見てよかった。周りに未読の人がいたら保護してやりたい。

結末

法で裁かれることのなかった悪党を12人が12等分の責任を追う形で私刑に処したという真相だったが、ポアロはそれを世間に知らしめることはしなかった。
で、これってどうなの?
極悪人が法できちんと裁かれなかったからみんなで協力して殺す、ポアロも追求しないって結末、当時は素晴らしい判断……という受け要られ方だったのかな?確かにラチェットがしたことと誘拐事件によって被害者一家がたどった結末を思うとあまりにひどいとは思うけど。
当時の人の感想を知りたい。

そういうポアロの裁き方、ラストの多く語らない感じを楽しむものだったのかなと思った。
個人的にはハバード夫人のステロタイプにもほどがあるおしゃべりなおばちゃん像が大女優による演技だったというのが好きです。すっかり騙されたので。