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12モンキーズ(1995)感想 ※ネタバレあり

テリー・ギリアム監督作。

コロナウイルスが猛威を奮う今こそな映画では。ブルース・ウィリスとブラピのおしりを見たい人もおすすめです。

 

12モンキーズ(字幕版)

 

基本情報

 

あらすじ(Wikipediaより)

12モンキーズ』(Twelve Monkeys)は、1995年のアメリカ映画であり、時間旅行と全世界へのウィルス拡散のミステリーをモチーフにしたSF映画。監督はモンティ・パイソンのメンバーのテリー・ギリアム

Wikipedia内のあらすじには映画のラストまでがっつり書かれているので見ないほうが良いと思います。

 

モンティ・パイソンファンのくせにテリー・ギリアム映画は未来世紀ブラジルとバンデッドQくらいしか観たことがない…けどどっちもなんかよくわからんかったし、でも12モンキーズってドラマにもなってたし、アマプラで配信中だからこの機会に観てみるか〜?と思ってようやく手をつけました。

結果、本作のほうが上記2作よりわかりやすくない!?となりました。アホの感想なので参考になるかわかりませんが……。

 

※ここからネタバレあり

 

 

どこまでが現実でどこまでが妄想か

本作の主人公のジェームズ・コールは精神病患者扱いをされて、見ているこっちとしては(途中で一体何が真実なんだ??と混乱するにしろ)彼が本当のことを言ってることがわかっているので、担当医のライリー博士に「早く気づいて〜!」、ジェームズには「真犯人を見つけて〜!」とハラハラドキドキしっぱなしでした。

ジェームズが何度も見る夢は何なのか?12モンキーズとは?50億人が死ぬウイルスって?未来は一体どうなっちゃうの!?!?みたいな

伏線がどんどん回収され、観終わる頃にはこういうことだったのねと納得がいくのが気持ちよかったです。特に冒頭の「とある分裂病患者の問診記録」とか、途中で科学者たちがジェームズに聞かせた女性の言葉の録音とか。

後半でジェームズがよわよわになって俺は頭がおかしいんだ、あんたに治療してほしいってライリー博士にすがっちゃうのも、過去に宇宙人の話をしてたおじさんのことや、この時代にいたら(すぐ近くの未来にウイルスで死ぬとしても)安全な地上でライリー博士と暮らせるって考えたらよわよわになっちゃっても仕方ないよね…とないました。しかしそんなジェームズのよわよわを許さないライリー博士。強くて美しくて聡明な博士ってよいですね。

 

弱気なブルース・ウィリスがめちゃよい

私はあんまり映画を観てないので、ブルース・ウィリスといえばダイハードとかマッチョで強い男ってイメージだったので、本作のよわよわ姿が新鮮でした。イメージ通り暴れるところもあったけども。後半でライリー博士に泣きつくとことかとてもよかったですね。あと裸でシャワー浴びせられたりハイになってるブラピに困惑したりしてたのもとてもよかったですね。

ラリってるブラピもよかった。同年公開のSE7ENではあんなにかっこいい刑事役だったのに、12モンキーズでは暴れまわってケツを出すブラピ…。あの目は色も違うしカラコンなのかな。瞳の高さが左右でズレてるのかモノホンのイカれ度を高めててよかったです。

 

ラスト

真犯人に撃たれてしまったジェームズ。夢の内容がここだったのかということが明かされてイヤー!死んじゃイヤー!となるわけですが、ここで微笑むライリー博士。その目線の先には子供の頃のジェームズがいるんですね。あそこにまだジェームズは生きていると。

更に真犯人の席の隣には未来の科学者の一人が座ってます。「保険救済業」(I'm an insurance.)はなんの保険だったんだって話ですが、個人的には

  1. ジェームズが真犯人を追い、ホセもそれを追う→真犯人を殺すかなんかしてウイルスのばら撒きを止めサンプルをゲット
  2. 未来の科学者が真犯人の隣の席を予約できてたってことなので、サンプルを奪ってこの先でのばら撒きを阻止&未来で抗体を作って地上に出られるようにした

ってことなのか?

いや、2で隣の席を取れたのは、その前のジェームズが撃たれるあたりでホセが真犯人を未来に連絡→過去に戻って席をゲット???

時間遡行モノは難しくて頭がついていかない……。でも単純に空港でサンプルを奪えなかったときの保険、てことでいいのかなあとか思っています。

これを書く用にちょこっとだけ見返してみたけど、結局目標としては真犯人を止めることではなくてウイルスに対抗できるすべを見つけることだったぽいし。

起こってしまったことは変えられない=ウイルスが地上にばら撒かれるという自体は変えられないというのは、何度も繰り返されるタイムトラベルにより明らかになっていきます。細かな枝分かれ(壁の落書き)があったとしても、世界線は一つに収束してくってことなんでしょうか。

 

真犯人があいつだってのは途中のサイン会での怪しさからわかりやすかったかと思うんですが、この映画はそういう犯人探しではなくどうやって話がまとまるんだ、終わるんだとハラハラさせられるところがオモロポイントだと思いました。

そしてその情報の出し方がめちゃんこうまくてオモロっ!ってなるのかなとおもいました。

 

それにしてもラストでもってくのが科学者扮する「保険屋」なわけですが、あれだけ本編で消費社会への批判やら動物実験への批判やらといった目線を入れておいて、世界を救うために奮闘する男をこのように描いておいて、最後に笑うのが保険屋で、最後に流れるのがWhat a wonderful worldですよ。キマり過ぎた皮肉にくらくらしますね。

ジェームズはあれほど焦がれた地上のwonderful worldでは暮らすことができず命を落としますが、未来の人々はきっと地上に戻って日の光を浴びたり海に行ったりする生活ができるようになるんでしょう。