北北西のほくほくメイクイーン

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コンジアム(2018)感想 ※ネタバレあり

韓国のPOVホラー映画「コンジアム」のネタバレあり感想です。

POV映画としての設定と「今」の雰囲気を収めた映像がよかったな~と思いました。

www.youtube.com

基本情報

  • コンジアム
  • 곤지암昆池岩、Gonjiam: Haunted Asylum
  • 2018年制作(日本公開は2019年)

 

あらすじ(公式HPより)

gonjiam.net-broadway.com

YouTubeで恐怖動画を配信する人気チャンネル「ホラータイムズ」が一般からの参加者を募り、コンジアム精神病院への潜入を計画する。(中略)100万ページビューを目標に掲げるハジュンの演出も功を奏し、サイトへのアクセス数は順調に伸びていく。しかし、(中略)探索するうちに、ハジュンの想定を超えた原因不明の怪異現象が続発。やがて悪夢の迷宮と化した病院内を泣き叫んで逃げまどうはめになった隊員たちは、世にもおぞましい”402号室の呪い”の真実に触れることに…。

※ハジュン:ホラータイムズのリーダーっぽいひと。隊長。

 

感想

冒頭で書いたように、POVとしての説得力が「主人公たちがYouTuberであること」でかなり強く補強されててそこがいいなーと思いました。POVホラー見てて「なんでこんな怖い目にあってるのに撮影続けてるんだ……はやく帰ろう!!!逃げよう!!!」と思ってしまうことがよくあると思うんですが、本作には生放送で再生数稼いでがっぽり儲ける!という撮影を続ける理由がありました。

現場に出ず配信映像の編集やらをしながら隊員に指示を出す隊長ハジュン(再生数稼いでお金がほしい) VS 現場で怖い目にあっててもう帰りたいメンバー&怖いけど頑張って続けるから取り分を増やせと交渉するメンバー

という、分裂しつつもなんとか放送を続けていく隊員たちの様子が見ててハラハラして、同時に恐怖も高まっていっておもしろかったです。

 

キャラクター

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www.imdb.com

7人の隊員のうち3人が女性。

写真右からジヒョン(いじめっこっぽくて強気かわいい)、シャーロット(アメリカ帰り)、アヨン(ほわ~としてる)。

しょーもない男どもとの対比もあってか、がんばってくれ…!と女子たちを応援する気持ちになった中盤から後半にかけてですが、まさかのジヒョンちゃんがボボボボボになってしまいショックでヒィ!と声が出てしまいました。

シャーロットちゃんはキャットウーマンみたいなセクシー衣装に長いスカーフで「これが…アメリカ帰り…」というなかなかなファッション(しかもヒールで山道を歩く)で廃病院に挑んでいましたが、スカーフは謎の力に引っ張られる演出のためだったんですね。あんな目に遭ったらパニックでなんも考えられなくなるのもわかるけど、一度引っ張られたスカーフは捨てて……と見ながら思ってしまった。

 

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めちゃかわいいジヒョン(IMDbより)

上の画像の右端がジェユン。ちょっとビビりなキャラクターでした。彼以外の男性メンバー3人がグルで、やらせで恐怖演出をして再生数を稼ぎ、そこからお金を稼ごうとしていました。

ジェユンもジェユンでアヨンに変なつっかかりをするので何だこの子って思うんですが、それより何よりやらせの3人組がいやらしくて「早くおばけに殺されてくれ……」という気持ちにさせられました。最後のハジュンの「もういい!俺が出る!」ムーブとかね、完全にフラグでとても良かったです。

演出

この映画でいいなと思ったのは、作中作であるYouTubeチャンネル「ホラー・タイムズ」のキャッチがところどころ挟まってくるところです。

YouTubeで放送する映像と、その裏が交互に映され、合間合間にはチャンネルのキャッチ映像も挟まれ、いい具合に虚構の中でのオンとオフが混ぜられる。そういった中で「この映像、誰が撮ってるんだ…?」とか味わい深さがあったように思います。

POV映画だ、というところに関してですが、ドローンは…要る……?というのはちょっと感じました。

 

YouTube配信という設定とPOV映画の相性の良さ、リッチで調子に乗っている動画配信者の若者というホラー映画の被害者としての相性の良さ、そこに手堅くしっかり作っていった恐怖演出。

韓国映画って評価高い割になんも見てねえな…という気付きから&アマプラの配信開始もあって気軽に見てみた本作ですが、しっかり作られてて楽しめる良い作品だなと思いました。ジヒョンちゃんかわいい。